祇王寺と落柿舎
祇王寺庭園
JAFmateに祇王寺の庭園の写真が載っていた。苔生した庭園を撮りたいと思っていたが苔寺は最近入寺が難しいので祇王寺を訪れることにした。平家物語「祇園精舎の鐘ーーー」で有名な白拍子・祇王達のお寺である。このお寺も栄枯盛衰があり現在は明治時代に京都知事の別荘が寄付され大覚寺の塔頭となっている。したがって寺らしい雰囲気はあまりない。写真はどう見ても一パターン的な撮影しかできなかった。
祇王寺庵
園内に庵があり祇王達も木像として安置されており撮影はできない。遠くから望遠で窓を撮影した(吉野窓という)。隣に宝筐印塔が有り、祇王達が祀られている。
落柿舎
俳人芭蕉の第一の俳士・向井去来の遺跡である。名前の由来は40本の柿の木の実が一夜にして落ちるという珍事があり命名したそうである。左絵の句碑は去来の句「柿主や梢はちかきあらし山」が刻まれ京都最古の句碑である。右絵は芭蕉の句「五月雨や色紙へぎたる壁の跡」であり、芭蕉が去来を信頼し、心より落柿舎に親しみくつろいでいる様子がうかがわれると言われている。俳人らしき人が訪れており句碑を見て回っていた。
落柿舎の庵
この庵は1770年・江戸中期に再建されたもので江戸の庵の風情が残されている。ここで面白いことを発見した。機関誌「落柿舎」の中で、芭蕉の伝記を初めて書、全集をまとめ、落柿舎を復興に導いた文人僧・蝶夢の句である。その句「朝露や木の間にたるる蜘蛛の網」は木と木の間に張られた蜘蛛の巣にたくさんの水滴がつき、それが朝日を浴びてイルミネーションのようにキラキラ輝いている。朝のごく短い間にしか出会えない美しい世界を言葉にしたという。蜘蛛の巣をこれ程美しく読んだ句はないと田中氏は言う。写真家も時々このような絵をものにしている。俳人も写真家も共通の感性があるものだと感心した。
ベンチの絵模様
庭には木製の立派なベンチが置いてある。このベンチの柄模様が面白い。動物の顔に見えませんか。子供の気持になって見てください。
by toka987 | 2013-07-03 13:43 | 13.7月の写真 | Comments(5)