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びわ床

琵琶床
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 文化協会の行事で金沢方面へ出かけた。行事の合間に念願の琵琶床の撮影を行った。その歴史を振り返ると、現在の和風建築は室町時代に始まった書院造りを基本に床の間を取り入れている場合が多い。江戸中期ころより裕福な町家では琵琶を聞きながら煎茶の文化を楽しんだ。その琵琶を飾っておく所が琵琶床で床の間の一角にあった。ところが町家を見て歩いていると床の間に琵琶床はあるが琵琶はない場合が多く一度飾ってある所を見たかった。偶然金沢のひがし茶屋のパンフを見ていると載っているのにチョッピリ驚いた。まさかこんなところにあるとは。たとえば名古屋市の文化の道の橦木館にも床はあるが琵琶もドラも失せている。
志摩の坪庭
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 ひがし茶屋街の志摩という芸者置屋は重要文化財に指定されており公開されている。ここでは床の間がありその脇の琵琶床に琵琶が飾ってある。床の間を背にしたお客を前にしてて芸者さんが芸を見せたそうである。芸者さんに関する資料も陳列してある。そこの坪庭の写真である。
山代温泉古総湯
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 ここの温泉では共同浴場を総湯というらしい。ステンドグラスが綺麗だというので撮影に出かけた。残念ながら内部は撮影禁止だという。外の格子の間から撮ったものである。単純な色ガラスの組み合わせで思ったほどではなかった。屋根はこの地方特有の赤瓦であった。
ステンドグラス
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 ベンガラ格子
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 山代温泉地域の特徴は何かとホテルのフロントに聞いた。ベンガラ格子とアカガワラと教えてくれた。早朝皆が寝ている時に起き出し、撮影に出かけた。結構ベンガラ格子もアカガワラもある。こうも一般的に用いられているのは少々驚きである。ベンガラの里・岡山県へワザワザ撮影に出かけたからなおさらである。今では天然の優良ベンガラは販売されておらず、国宝や重文にしか提供されない。一般的には近畿地方に一社販売元はあるらしい。楊貴荘がリニュウアルされたのは数年前のことであった(平ブログにあり)。名前の由来はインドベンガル地方の顔料から来ているそうだ。
赤瓦
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 我が家が家を建てるとき赤瓦にするか青瓦にするか問題になった。青瓦の方が高級感がありそうだということになった。偏見かもしれないが。写真で見るとヨーロッパ特に地中海地方では赤瓦が多そうだ。白い壁に赤瓦がよく似合う。ここに赤瓦が多いのは耐久性が強いのと寒さに強いかららしい。

by toka987 | 2015-11-19 12:15 | 15年11月 | Comments(2)

Commented by shb3539 at 2015-11-19 16:02
古風で優雅なたたずまい、心が洗われます。いい旅行をなさいましたね。
Commented by toka987 at 2015-11-20 00:33
何故か新しいものには愛着がわかない場合が多く、古いものに興味が向き撮影の目が行ってしまいます。年の性かもしれません。