擬洋風建築・獅子閣 in 宝山寺・生駒

 明治期文明開化の時は建築物にも個性のある洋風建築が建てられた。実は寺院に擬洋風建築が有ると聞き、驚いたのが撮影の動機となった。伝統的日本建築で知られる寺院でもその影響が見られる生駒山の宝山寺獅子閣客殿を訪れた。実に興味ある洋風化された建造物類を見ることになった。ここで獅子とはライオンのことで百獣の王である。釈迦は人間の王という意味を込めている。
獅子閣正面
 洋風建築に見られる装飾の多い正面玄関の外観である。塔こそ無いが木造による柱頭の飾り、二階のテラスが特徴である。この建築には才能を見いだされた若い大工が3年間の横浜での修行の後に創意工夫のある建物を建てた。見るところの多い建造物である。
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柱頭の飾り
 柱頭や肘木には菊をかたどった模様が掘られている。柱には溝があり、天井も特徴ある木枠で張られている。通常洋風建築で木材を使う場合、耐久性や衛生上の理由からペンキで塗られるがこの建物は全て木の素材そのもので作られている。
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 テラスが有るのも洋風建築の特徴であるが、欄干の格子にも模様で削られている。
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 入り口の螺旋階段である。このような階段も洋風建築の特徴で中央の柱に床木を埋め込み螺旋状に階段を作っている。現在では強度が弱いので安全のため裏側の中央につっかい棒がしてあり、3人限定で登るように言われた。後ろの円形アーチ状窓も洋風の特徴である。
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 ステンドグラスである。ここでは更に工夫がしてあり、色に4季を割り当て、例えば青は冬をイメージしこのガラスを通して外景色を見ると木に雪が積もったように見え、緑の春は草木の芽生えに見える。
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室内調度
 調度品にも工夫がしてある。金具類は舶来品が用いてあり、中央の床柱は鉄刀木・タガヤサンと言う洋木で刀でも切れないと言う堅木である。他にも黒檀や紫檀で床板などが作られている。日本風床の間に洋木を用いるという組み合わせがおもしろい。
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 一階は洋間と日本間で出来ており、洋間は板敷きで洋風建具、日本間は畳敷きで床の間襖仕立、その襖には能の一場面が描かれている。下の写真は鞍馬天狗の一場面である。
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 ここのお寺は欲張りである。多くの歴史が凝縮されており、理解するのに多くの教養が要求される。ある説明によると開山は江戸中期の湛海律師となっているが宗派は密教・修験道・真言律宗であり、開祖は役小角や空海である。従って寺紋は竜胆車が使われている。この謂われは”役小角が修行中、兎が雪を掘り一葉の草をくわえていずこかえ飛び去った。その後を覗くと草がありその根を噛むと苦かった。しかし、その内に体内に活力がみなぎってきた。この草が竜胆で役小角は竜胆を薬草にしてついに超能力を体得したという。この文様が境内のいたるところで見られる。

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by toka987 | 2017-08-09 07:10 | 17.8月の写真 | Comments(2)

Commented by nagaradaioh at 2017-08-11 08:18
これはお寺なんですね 凡人には解りません インド伝来の仏教寺院にシュテンドグラスとはね―
Commented by toka987 at 2017-08-13 00:04
日本伝来の仏教は難しくて難解で私にも分りません。ガイドさんに仏教寺院に何故こんな擬洋風建築を建てたのですかと質問したがあまり良い返事は帰ってきませんでした。